
イギリスでは多くの美術館や博物館の常設展に無料で入ることができます.The British Museum(大英博物館)もその一つ.
本記事では,実際に訪れた大英博物館について,概要や見どころなどを写真とともに紹介いたします.
- The British Museum(大英博物館)の概要
- 大英博物館の個人的おすすめ10選
- Ground floor(1階)ギャラリー
- the Rosetta Stone(ロゼッタ・ストーン)Room 4
- The colossal statue of Ramesses II(ラムセス2世の巨大な像)Room 4
- The Gayer-Anderson cat(ゲイヤー・アンダーソン猫)Room 4
- Block stasue of Piay(ピアイのブロック像)Room 4
- The Nereid Monument(ネレイド記念碑)Room 17
- Parthenon Sculptures(パルテノン神殿の彫刻)Room 18
- Hoa Hakananai’a (‘lost or stolen friend’) / Moai (ancestor figure)(モアイ像)Room 24
- Boxwood microsculpture(ミニチュア祭壇画)Room 2a
- Upper floors(2階)ギャラリー
- Ground floor(1階)ギャラリー
- 展示品の巡り方のコツと所要時間
- 食事と喫茶
The British Museum(大英博物館)の概要

1753年設立,1759年開館の大英博物館は,世界初の国立博物館として知られています.約800万点を誇るコレクションは圧巻で,200万年にわたる人類の歴史が網羅されているといいます.
金曜日に訪れると,20時30分までゆっくりと館内を周ることができます.
住所:Great Russell Street, London WC1B 3DG
URL:https://www.britishmuseum.org/
大英博物館の個人的おすすめ10選
Ground floor(1階)ギャラリー
the Rosetta Stone(ロゼッタ・ストーン)Room 4

ロゼッタ・ストーンは,プトレマイオス5世(在位:紀元前204年〜紀元前181年)の勅令が3種類の異なる文字で彫られた石碑の一部です.
この碑文は,古代エジプトの神聖文字(ヒエログリフ),民衆文字(デモティック)および古代ギリシャ語の3種類の文字で同じ内容が書かれており,古代エジプトの象形文字が解読される重要な手掛かりとなりました.
1799年にナポレオンのエジプト遠征に参加していたフランス兵士により発見されたロゼッタ・ストーンは,ナポレオンの敗北後にイギリスに送られ,1802年にジョージ3世から大英博物館に寄贈されています.
The colossal statue of Ramesses II(ラムセス2世の巨大な像)Room 4

この巨大な像は,ラムセス2世(在位:紀元前1279年頃~紀元前1213年)の若若しい像の一部です.かつては高さ約7メートル,重さ約20トンと推定される座像で,現在残る胸像だけでも,高さ約2.5メートル,重さ約7.25トンあり,エジプトで最も硬く最も価値のある石の一つである二色の花崗岩と花崗閃緑岩の一塊から切り出されています.
この像は,テーベ(現在のルクソール)のヨルダン川西岸にある神殿にある2体のうちの南側の像で,北側の像の頭部は今も現地に残っているようです.
1816年にエジプトのイギリス領事ヘンリー・ソルトとその代理人であるイタリア人探検家ジョヴァンニ・バッティスタ・ベルツォーニにより移出が開始され,1818年にロンドンに到着,その翌年に大英博物館に設置されています.
The Gayer-Anderson cat(ゲイヤー・アンダーソン猫)Room 4

ゲイヤー・アンダーソン猫は,女神バステトの一形態を描いた中空鋳造の青銅製の像で,紀元前600年頃の古代エジプト後期に作られました.バステトは母なる女神であり,より攻撃的な獅子の女神セクメトと同一視されることが多いようです.
この猫は,銀製の胸当てと金のイヤリング,鼻輪を身につけています.猫の頭と胸にあるスカラベは再生を象徴し,胸当てにある銀製のウジャトの目は保護と治癒とを象徴しているようです.
猫の名は,1939年に大英博物館に寄贈したロバート・グレンヴィル・ゲイヤー=アンダーソン少佐にちなんで名付けられました.ゲイヤー=アンダーソンは,エジプトの小型彫刻,宝飾品,陶器の熱心な収集家で,それらをカイロの自宅に展示していました.この猫は,神殿から出土したものと考えられています.
Block stasue of Piay(ピアイのブロック像)Room 4

Piayとは,ラムセス2世下での機密文書の記録係をいうようです.紀元前1250年頃に作られた石灰岩製の像で,プタハ神殿出土と考えられています.
碑文には,メンフィスの神神(プタハ,ソカル,アヌビス,神格化されたラムセス)が刻まれています.
The Nereid Monument(ネレイド記念碑)Room 17

ネレイド記念碑は,この壮大な墓の柱間に置かれた彫像の正体として最も有力視されているネレイドにちなんで名付けられました.ネレイドとは,ギリシャ神話に登場する海の妖精で,激しい嵐に遭遇した船乗りたちを助けたとされています.
この記念碑は,紀元前380年頃,現在のトルコ南西部に位置するリュキアの都市クサントスの支配者アルビナスとその家族のために建てられたと考えられています.アテネのアクロポリスにあるイオニア神殿の影響を受けています.
Parthenon Sculptures(パルテノン神殿の彫刻)Room 18

紀元前438~紀元前432年に彫られた大理石像は,かつて女神アテナの巨大な金と象牙の像が安置されていたアテネのアクロポリスにあるパルテノン神殿を飾っていたものです.
頭部が残っている唯一の像は,両手と両足とは失われていますが,その左足は1674年にスケッチされているようです.この像はディオニュソスであるとされていますが,ヘラクレスやテセウスである可能性も指摘されています.
Hoa Hakananai’a (‘lost or stolen friend’) / Moai (ancestor figure)(モアイ像)Room 24

ホア・ハカナナイアは,1000~1200年にラパ・ヌイ(イースター島)で製作された玄武岩製の祖先像です.
鳥人信仰に関連する図像,すなわち鳥,女性器,様式化された人型をした踊り用の櫂,指輪,帯の模様が,像の頭部と胴体の背面に浮き彫りで彫られています.
1868年に英海軍により,もう一つの小さなモアイ像ハヴァとともに島から持ち出されました.
Boxwood microsculpture(ミニチュア祭壇画)Room 2a

ミニチュア祭壇画は,1511年に制作されたツゲ材の三連祭壇画です.幅14センチメートル,高さ25.1センチメートル,奥行き9センチメートルの中に,キリストの生涯と受難の場面が彫刻されています.
この祭壇画は,ゴシック様式よりもルネサンス様式やイタリア様式の細部が特徴的で,後世の大型祭壇画と比較すると,完全にゴシック様式ではないという点で非常に珍しいもののようです.
アンセルム・フォン・ロスチャイルドにより収集され,フェルディナンド・アンセルム・ロスチャイルドにより大英博物館に寄贈されました.
Upper floors(2階)ギャラリー
The Standard of Ur(ウルの旗)Room 56

ウルの旗は,木製の台形をした中空の箱状の物体(高さ21.70~22センチメートル,長さ50.40センチメートル,底部幅11.60センチメートル,頂部幅5.60センチメートル)として復元されています.4面にモザイク画が施されており,底面と上部は無装飾です.発掘時には木材は完全に崩壊しており,数百個のモザイク片が丹念に復元されています.紀元前2550年~紀元前2400年に制作されました.
2つの主要な象嵌パネルには,貝殻,赤石灰岩,ラピスラズリの破片を瀝青に埋め込み,戦争とその余波とが描かれています.
この物体の用途は不明ですが,発見場所から,棒に取り付けられて行列で運ばれた可能性が考えられています.この旗は,イラク南部ウルのいわゆる「王家の墓地」で,身元不明の王の墓から発見されました.
Mummy of Katebet(カテベトのミイラ)Rooms 62–63

カテベトという名の女性のミイラは,良好な状態で保存されていることから博物館で最も研究されているミイラの一つです.カルトナージュマスク,胸飾り2点,シャブティ像そして棺を伴っており,棺は紀元前1330年~紀元前1250年に制作されています.カテベトは,カルナック神殿のアメン神の歌い手であり,儀式の際に歌を歌い,音楽を演奏していたと考えられています.
木製の棺は人型で,元元は男性用に作られたものが,後に女性用に改造されているようです.金箔を施した顔を持つ彩色されたカルトナージュ製の仮面には,胸の前で交差する木製の腕が取り付けられており,指には指輪がはめられています.2つの胸飾りはカルトナージュ製で,彩色され,一部は銀と金の箔で覆われています.シャブティと呼ばれる葬儀用の像は,おそらく石と思われる硬い素材の上に彩色されています.
展示品の巡り方のコツと所要時間

大英博物館の公式ホームページでは,時間のない方やお子様連れの方に向けて,おすすめのモデルコース(Object trails)が示されています.以下のリンクを参照し,見逃しのないようにされてください.
Object trails:https://www.britishmuseum.org/visit/object-trails
また,公式ホームページの館内マップには,必見の展示に「Don’t miss」と記載されています.事前に目を通しておくと,効率よく館内を回ることができると思います.
Museum map:https://www.britishmuseum.org/visit/museum-map
主要な展示品を巡るには,3時間程度必要です.
私が訪れた期間は,有料の特別展『Samurai』期間中のためか,日本の常設展は閉鎖されていました.貸し出しなどにより,一部の収蔵品は展示品から外されることもあるため,訪問前にインフォメーションを確認されることをおすすめします.
食事と喫茶

大英博物館には,カフェやピッツェリア,レストランが併設されています.グレート・コートを囲むカフェでは,軽食やケーキ,温かい飲み物や冷たい飲み物が提供されており,座席数も多いため,コーヒーブレイクにちょうど良いです.
ペットボトルの水は,ミュージアム・ショップでも売られており,カフェで購入する数分の一の値段で購入することができます.

コメント