【アダナ観光】隠れた名所ヴァルダ鉄道橋の魅力

トルコ南部の商業の中心地であるアダナは,歴史的に重要な交易拠点であり,古代ローマ時代やオスマン帝国時代の名残を今に伝える文化遺産が幾つかあります.

その中でも壮大な景観を誇るのが,ヴァルダ橋(Varda Köprüsü)です.

アダナ市街から70km程度に位置し,その圧倒的なスケールと美しさとから,特に鉄道ファンや映画ファンを惹きつける隠れた観光スポットです.本記事では,ヴァルダ橋の建設経緯や映画のロケ地としての一面,列車の通過時刻,近隣のカフェレストランなどを紹介いたします.

ヴァルダ橋(Varda Köprüsü)の建設経緯と仕様

ヴァルダ橋の橋面

ヴァルダ橋は,カライサル地区ハジュクル村の渓谷に架かる大規模な鉄道橋です.

1907―1912年,中東の石油を直接ドイツ帝国へ供給するため,イスタンブール・バグダッド鉄道線の建設と併せて,ドイツ人技師の指導のもと架けられました.そのため,別名「ドイツ橋」とも呼ばれています.

橋長172m,中間橋脚高さ99m,レール曲線半径1,220mの石造りのアーチ橋です.

建設は困難を極め,多くの従事者が亡くなられたといいます.

結局,第一次世界大戦勃発の要因のひとつであるバグダッド鉄道は第一次大戦前までには完成せず,1940年に完成しました.

映画『007 スカイフォール』のロケ地

ヴァルダ橋の中間橋脚

この橋梁に見覚えがある方もいらっしゃるでしょう.

シリーズ50周年記念作品として制作された映画『007 スカイフォール』は,トルコのイスタンブールから始まります.イスタンブールでの壮大なカーチェイスの後,ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドを乗せた列車がこの橋梁にさしかかり,ある重大なシーンが撮影されました.

橋脚高さ99mという高架橋ならではのシーンで,背景の雄大な自然と相まって,観客に強烈な印象を残しています.これからトルコへ行かれる予定のある方は,この映画を鑑賞してから行かれると,イスタンブールとヴァルダ橋とをより楽しむことができると思います.

映画『007 スカイフォール』をアマゾンプライムでみる

ヴァルダ橋の列車通過時刻

貨物列車とヴァルダ橋

ヴァルダ橋は,現在も鉄道橋として使用されており,列車が通過する風景は絶好の撮影スポットとなっています.

最寄駅は,Hacıkırı(ハジュクル)駅であり,路線は,急行列車と貨物列車とが利用しています.

急行列車は,カイセリとアダナとを結ぶErciyes Ekspresi(エルジェスエクスプレス)とアダナとコンヤとを結ぶToros Ekspresi(トロスエキスプレス)とがあります.2024年10月22日現在は,Toros Ekspresiは工事のため運休しているようです.

Erciyes Ekspresi(エルジェスエクスプレス)のHacıkırı(ハジュクル)駅通過時刻
※2024年10月22日現在
〇カイセリ→アダナ 12:23到着 12:25出発
〇アダナ→カイセリ 17:49到着 17:51出発

最新の情報は,TCDD(トルコ国有鉄道会社)のホームページか,現地の鉄道駅でご確認ください.
TCDD(トルコ国有鉄道会社)公式サイト

私が訪れた際は,貨物列車が通過していました.

貨物列車の時刻表は見つけられませんでしたが,遭遇するとよいですね.

ヴァルダ橋周辺のカフェレストラン

『Varda Çardak Cafe Restaurant』のスジャクのトースト

橋梁を望む絶好のロケーションにあるカフェレストラン『Varda Çardak Cafe Restaurant』では,美しい景色を眺めながら,ゆっくりと軽食を楽しむことができます.

薪で焼かれたスジュクのトーストはとても美味しく,お値段も良心的でした.

橋梁散策の合間に,列車の待ち時間に,壮大な景色を楽しみながら一息つくのにおすすめのカフェレストランです.

ヴァルダ橋へのアクセス方法

ヴァルダ橋は,最寄り駅であるHacıkırı(ハジュクル)駅から2km程度南下した位置にあります.ハイキングを楽しみながら向かう場合におすすめです.

自動車で向かう場合,アダナ市街から70km程度に位置し,2時間もかからず行くことができます.急行列車の到着時刻に合わせて向かいたい場合におすすめです.

バグダッド鉄道の壮大な歴史と映画の世界を体感しよう

ヴァルダ橋を西から望む

ヴァルダ橋は,バグダッド鉄道の歴史を忍ばせる壮大な鉄道橋です.

本記事では,アダナの隠れた観光名所であるヴァルダ橋の建設経緯や映画のロケ地としての一面,列車の通過時刻,近隣のカフェレストランなどを紹介いたしました.

ヴァルダ橋の壮大な歴史を忍びながら,映画の世界と雄大な自然とを体感してみてはいかがでしょうか.

コメント