
イギリスでは多くの美術館や博物館の常設展に無料で入ることができます.The National Gallery(ナショナル・ギャラリー)もその一つ.
本記事では,実際に訪れたナショナル・ギャラリーについて,概要や見どころなどを写真とともに紹介いたします.
- The National Gallery(ナショナル・ギャラリー)の概要
- ナショナル・ギャラリーの個人的おすすめ7選
- Level 2(2階)ギャラリー
- The Virgin of the Rocks(岩窟の聖母)Room 51
- Saint Michael triumphant over the Devil with the Donor Antoni Joan(聖ミカエルが寄贈者アントニ・ジョアンと共に悪魔に勝利する)Room 64
- Madame de Pompadour at her Tambour Frame(タンバー・フレームを構えるポンパドゥール夫人)Central Hall
- The Execution of Lady Jane Grey(レディ・ジェーン・グレイの処刑)Room 38
- Sunflowers(ひまわり)Room 43
- The Thames below Westminster(ウェストミンスターの下のテムズ川)Room 41
- The Umbrellas(傘)貸出中!
- Level 2(2階)ギャラリー
- 展示品の巡り方のコツと所要時間
- 食事と喫茶
- その他のロンドンのおすすめミュージアム
The National Gallery(ナショナル・ギャラリー)の概要

1824年設立のナショナル・ギャラリーは,13世紀から19世紀にかけての西ヨーロッパ絵画の国立コレクションを所蔵しています.その数は,ゴッホの「ひまわり」など数数の名作を含む2,600点以上.
内部は,清潔な空間が広がっています.
金曜日に訪れると,21時までゆっくりと館内を回ることができます.
Open daily 10am–6pm Friday until 9pm
住所:Trafalgar Square, London WC2N 5DN
URL:https://www.nationalgallery.org.uk/
ナショナル・ギャラリーの個人的おすすめ7選
Level 2(2階)ギャラリー
The Virgin of the Rocks(岩窟の聖母)Room 51

https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/leonardo-da-vinci-the-virgin-of-the-rocks
レオナルド・ダ・ヴィンチ, 1491~1499年頃と1506~1508年頃
この絵画は,ミラノのサン・フランチェスコ・グランデ教会のために制作された,聖母マリアの無原罪懐胎を祝うための祭壇画の一部です.レオナルドが以前に制作した同様の絵画に取って代わったもので,以前の絵画はパリのルーブル美術館に所蔵されているようです.
革新的な絵画技法として,人物の輪郭をぼかすことで,彼らを包み込む影を表現している点が挙げられています.人物が,暗闇から浮かび上がってくるようです.
Saint Michael triumphant over the Devil with the Donor Antoni Joan(聖ミカエルが寄贈者アントニ・ジョアンと共に悪魔に勝利する)Room 64

https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/bartolome-bermejo-saint-michael-triumphs-over-the-devil
バルトロメ・ベルメホ, 1468年
この絵画は,バレンシア近郊のトゥースにあるサン・ミゲル教会の主祭壇のために依頼された多翼祭壇画(複数のパネルからなる祭壇画)の中央部分であったと考えられています.祭壇画の他の部分は現存していませんが,絵画部分と彫刻部分との両方が含まれていた可能性が高いとされています.
描かれているのは,ヨハネの黙示録に記されている,大天使ミカエルが悪魔と戦う場面です.足元にひざまずく男は,寄進者であるトゥースの領主アントニ・ジョアンです.
金彩の地の輝きと,油絵具の豊かな色彩によって生み出される金属の幻想的な輝きとに目を奪われる作品です.
Madame de Pompadour at her Tambour Frame(タンバー・フレームを構えるポンパドゥール夫人)Central Hall

https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/francois-hubert-drouais-madame-de-pompadour-at-her-tambour-frame
フランソワ=ユベール・ドゥルーエ, 1763~1764年
この肖像画は,ポンパドゥール夫人を描いた数多くの肖像画の中でも,最も写実的な描写であるとされています.
ルイ15世の愛妾であったポンパドゥール夫人は,美術,工芸,舞台芸術の重要な後援者であり,特にロココ様式をはじめとするファッションやスタイルにおいて時代の先駆者であったようです.周囲の調度品もお洒落ですね.
この肖像画は,実は2枚のキャンバスから構成されているようです.頭部,肩,右前腕を描いた小さなキャンバスが,より大きな全身像に組み込まれています.
The Execution of Lady Jane Grey(レディ・ジェーン・グレイの処刑)Room 38

https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/paul-delaroche-the-execution-of-lady-jane-grey
ポール・ドラロッシュ, 1833年
この絵画は,目隠しをされたジェーン・グレイ夫人が処刑される最後の瞬間を描いています.
ジェーン・グレイ夫人は,1553年にエドワード6世が崩御した後,わずか9日間だけイングランド王妃として君臨しました.エドワードの異母妹で王位継承者であるメアリー・テューダーを支持する派閥により廃位され,反逆罪で裁判にかけられた17歳のジェーンは,1554年2月12日にタワー・グリーンで斬首刑に処されます.
ドラローシュは,浅い舞台のような空間,演劇的な照明,等身大の人物像を用いることで,無垢な若い犠牲者の光景を際立たせているようです.
ロンドン塔の周囲にある解説看板には,「反逆者の門」から入場した著名人の例として,この絵画が用いられています.
Sunflowers(ひまわり)Room 43

https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/vincent-van-gogh-sunflowers
フィンセント・ファン・ゴッホ, 1888年
この絵画は,世界中の美術館やギャラリーに展示されている「ひまわり」の5つのバージョンのうちの1つです.ゴッホは,友人であり画家仲間でもあるポール・ゴーギャンの訪問に備え,アルルの自宅を飾るためにこれらの絵を描いたとされています.
ここに描かれているひまわりの様様なライフサイクル,若い蕾から成熟,そして枯死は,人間の営みの儚さを強調しているようです.
「ひまわりは私のものだ」とゴッホは宣言したといいます.ひまわりは,ゴッホの最も象徴的で愛されている作品の一つとなっています.
The Thames below Westminster(ウェストミンスターの下のテムズ川)Room 41

https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/claude-monet-the-thames-below-westminster
クロード・モネ, 1871年頃
この絵画は,霧に包まれたウェストミンスター橋と国会議事堂などが描かれています.モネは,1870年から1871年にかけて初めてロンドンに滞在した際,その霧に魅了されたといいます.
前景の桟橋,地平線を縁取るウェストミンスター橋,そして誇張された国会議事堂の高さが巧みに配置された構図が,霧のロンドンに広がりを与えているようです.
The Umbrellas(傘)貸出中!

https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/pierre-auguste-renoir-the-umbrellas
ピエール=オーギュスト・ルノワール, 1881年~1886年頃
この大きな絵画は,パリの賑やかな街路を舞台に,前景を埋め尽くす6人の主要人物を描いています。彼らの背後には、大通りをほぼ完全に覆い隠すほどの群衆がひしめき合っています。画面上部は,多くの傘で覆われています.
この作品は2段階に分けて描かれ,各段階の間には約4年の歳月が空いているのだそうです.これは,ルノワールが印象派から離れ,古典主義へと傾倒し始めた1880年代における彼の作風の変化を示しています.右側の人物群,すなわち母と2人の娘,そして中央の横顔の女性は,豊かで光沢のある色調の繊細で羽毛のようなタッチで描かれた典型的な印象派の手法で表現されています.一方,第2段階で完成した左側の人物群,すなわち全身像で描かれた若い女性と,その背後に立つ男性は,輪郭がはっきりと描かれ,細部まで精緻に表現され,より立体的な印象を与えています.
※2026年4月5日現在は,パリのオルセー美術館に貸出中.
展示品の巡り方のコツと所要時間

ナショナル・ギャラリーの公式ホームページでは,コレクションのハイライト36点がまとめられています.以下のリンクを参照し,見逃しのないようにされてください.
Highlights from the collection:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/must-sees
また,公式ホームページの館内マップに事前に目を通しておくと,効率よく館内を回ることができると思います.
Floorplans:https://www.nationalgallery.org.uk/visiting/floorplans/level-2
所用時間は,駆け足で回るなら1時間程度,主要な展示品を巡るには,2~3時間程度必要です.
貸し出しなどにより,一部の収蔵品は展示品から外されることもあるため,目当ての作品がある場合は訪問前に確認されることをおすすめします.
食事と喫茶
ナショナル・ギャラリーには,レストランやバー,カフェが併設されています.今回私は利用しませんでしたが,美しく清潔な店内で頂く食事は美味しそう.
以下の公式サイトに,メニューや営業時間が示されています.
Eat and drink:https://www.nationalgallery.org.uk/visiting/eat-and-drink
その他のロンドンのおすすめミュージアム




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