登山初心者による初富士登山の様子と装備等の記録です.
登った人
- 高山登山,お泊り登山ともに未経験.
- 今まで登った一番高い山は,小学校の遠足で訪れた大山(どこまで登ったのか全く記憶なし).
- 近年登った山は,吉野山と高尾山.
- 普段のトレーニングは,なし...
富士山の4つの登山口と登山ルート
富士山の山頂へ至る登山ルートは4つあります.
- 吉田ルート(黄色)の登山口:富士スバルライン五合目
- 須走ルート(赤色)の登山口:須走口五合目
- 御殿場ルート(緑色)の登山口:御殿場口新五合目
- 富士宮ルート(青色)の登山口:富士宮口五合目
各ルートの詳細は,富士登山オフィシャルサイトをご覧ください.
今回は,江戸時代に富士登山の本道とされた,東京からアクセスしやすい吉田ルートを選びました.
DAY1 富士スバルライン五合目(標高2,305m)→本八合目トモエ館(標高3,400m)
2021年7月24日
09:05 バスタ新宿→11:40 富士山五合目 高速バス
11時過ぎに,スバルライン入り口に到着します.
これ以降は高山病対策として,寝ないように,景色やおしゃべりを楽しみながら車内の時間を過ごします.一気に五合目まで移動することで,身体が高地に順応し辛くなるうえに,眠ってしまうと呼吸が浅くなり,酸素を十分に取り込むことができなくなってしまうそうです.
高山病のリスクを減らすため,五合目で1~2時間過ごして体を酸素の薄い環境に慣らすとよいということで,食事休憩.
12:30 みはらしキッチンさんにて,ほうとう1,200円を頂きました.

ビールは同行者が飲まれたもので,体力に自信のない私は我慢( ノД`)シクシク…
13:40 ロッカーに不要な荷物を預けたり,日焼け止めを塗るなどして準備後,出発.
泉ヶ滝にて体温検査後,富士山保全協力金1,000円を支払います.
六号目までは平たんな道が続き,ハイキング気分でルンルンと歩く.
七合目付近から,ゴツゴツとした岩場の急登が続くとともに,山小屋が現れ始めます.

七号目から本八合目にかけて山小屋が連なり,飲み物や食べ物を賄うこともできます.
途中途中の山小屋のテラスで5~10分程度の休憩を取りながら,ゆっくりと進みました.
こまめな水分補給と塩飴を舐めながら,深呼吸を意識しながら.
18:10 宿泊予定の本八合目トモエ館着.
後発のパーティとの合流まで,身体を拭いたり着替えたりしながら待ちます.
雲に映る富士山の影にしばし見惚れる.

20:00 後発組と合流し,夕食のカレーライスを頂きます.山小屋と言えば,カレーライス,今宵は満月.

21:30 消灯
布団は想像していたよりも綺麗で,寝袋を持参していた同行者は,これいらんかったわーと嘆いていました.

コンセントがあり,スマホの充電は可能です.
DAY2 本八合目トモエ館(標高3,400m)→富士山頂(標高3,776m)
2021年7月25日
02:00 起床.
とはいっても,寝たり起きたりを繰り返した夜でした.
起き上がると若干の頭痛.
山小屋の窓を閉めたまま寝てしまったのが原因のようです.
02:30 御来光を目指して山小屋を出発.
九号目の鳥居をくぐる頃には,ヘッドランプの明かりが行列をなしながらゆっくりゆっくりと進んでいきます.

それでも,止まらずにゆっくりと進み続けているということは,従前ほどの渋滞ではないということだそうです.
狛犬と鳥居が見えたら,もうすぐ久須志神社.
04:00 登頂.
日の出まで,久須志神社横の売店前で待ちます.
風が強く,つららが付くほどに寒いですが,お店の中は暖かく,食事をとりながら待つ人もいらっしゃいます.
04:40 太陽が顔を出す.
寒い...しか頭になくなった頃,ゆっくりと開けていく帳,とたんに心はじけだす.

御来光に感動した後は,暖を求めて山口屋さんにて豚汁800円を頂きました.
05:20 お鉢めぐり開始.
時計回りにめぐりました.
久須志神社のほぼ反対側に,最高地点「剣ヶ峰」があります.
05:55 剣ヶ峰の三角点着.
馬の背での風がすさまじく,なかなか歩を進められませんでしたが,その分やはり最高峰は格別の気分です.

06:40 一周まわって,久須志神社着.
少し休憩をしてから下り開始.
07:30 本八合目トモエ館着.
夕食の際,一緒に朝食(パン3つ)とお水1本とを手渡されるのですが,ここで,同行者が入れてくれたコーヒーとともに頂きます.
お腹が張っていて(出るものが出ていなくって(;’∀’))小さなパンを一つだけ頂いたのですが,これが命取り.
山では,出された食事は必要なエネルギー源として食べ干した方が良いのだと,後で思い知ることになるのです.
DAY2 本八合目トモエ館(標高3,400m)→富士スバルライン五合目(標高2,305m)

08:30 本八合目トモエ館発.
最初は調子よく下っていたのですが,途中から急にエネルギーが切れたように足がガクガクし始めます.
これが俗に言うシャリバテなのか?と思いつつ,残していたパンのうち一つとアミノ酸サプリとを補給.しばらく経つと,あら,解消.
登山における,炭水化物の大切さが身に染みた出来事でした.
そして,やはり靴も大切で,ミドルカットのハイキング用の靴で登ったのですが,サイズが若干大きめで,右足の親指にまめができ,左足首は気が付かないうちにくじいてしまったのか痛くなり,下りの大変さと自分に合った靴の大切さとを改めて思い知ることに.
11:30 富士スバルライン五合目着.
下山後のビールは最高,おつかれさまでした.
準備と装備
富士登山オフィシャルサイトにて,登山に必要な装備などが紹介されています.
その他,山と渓谷社発行の「富士山ブック2021」を基に,持ち物を準備しました.
当日の装備は以下のとおりです.
- バックパック+レインカバー:karrimor ridge 40(昔の型です) 本当はここまで大きくなくてよいと思います.手持ちのものがこれしかなかった.
- 登山靴:MERRELL MOAB MID GORE-TEX®(これも昔の型です) 毎年フジロックに履いて行ったもの.
- アンダーウェア:[アイスブレーカー] アンダーウェア サイレン ブラ & ビキニショーツ サイレン ビキニ 「優れた通気性/湿度管理」「においが付きにくい」などメリノウールの恩恵を享受.
- ベースレイヤー:[アイスブレーカー] カットソー テックライト ロングスリーブ ポケット クルー ここでも,メリノウールの恩恵を享受.
- 保温着:パタゴニア ナノ・パフ・ジャケット 海外旅行のおともにも.
- アウターレイヤー:ノローナNorrøna フォルケティン ゴアテックス レインウェア上下(これも昔の型です) 雨具と兼用.
- タイツ:[CW-X/ワコール] スポーツタイツ ジェネレーターモデル(クールタイプ) ロング丈(これも昔買ったものなので違うかもしれません) サポートタイツは履いておいた方が良いと思います!
- パンツ:山と道 5-Pocket Pants(これも昔の型です)
- 靴下:モンベル メリノウール トレッキング 5トゥソックス 5本指ソックスに惹かれて,今回購入.
- 帽子:熱中症対策用に[ミレー] 登山用防水ハット(これも昔買ったものなので違うかもしれません)と,防寒用にパタゴニアのニット帽(これも昔の型です) 頂上は寒くて風も強いため,耳まで覆うニット帽(雪ん子みたいなの)をおすすめします.
- 手袋:モンベル メリノウール グローブ タッチ こちらは今回購入したものです.
- ヘッドランプ:モンベル リチャージャブル パワーヘッドランプ こちらも今回購入したものです.
- サングラス:SUNSKI(サンスキ) ORIGINAL(これも昔の型です) 毎年フジロックに持って行ったもの.
- 腕時計:CASIO G-SHOCK(これも昔の型です)
- サコッシュ:グラナイトギア ハイカーサッチェル ラージ 海外旅行の鞄にも.
- アタックザック:ミレー パッカブルな携帯用ザック(これも昔の型です) 毎年フジロックに持って行ったもの.
- スタッフバックに着替え用のアンダーウェア:SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) ウルトラSIL ドライサック 8L
- マスク,除菌シート,携帯用除菌スプレー:このご時世には必要なものとして.
- 手ぬぐい:手拭き用に,タオルよりも乾きやすくてかさばらないものを.
- 水:コカ・コーラ い・ろ・は・す天然水ラベルレス 560ml ×4本 せめてものラベルレス
- 行動食:塩飴,ナッツ,小形羊羹.
小形羊羹は,海外旅行にも非常食として念のため必ず持って行くものです.同行者はチョコレートを持ってきている方が多かったです.
- アミノ酸サプリ:ZEN ACTIVITY(トラ&ダルマ) ゼンサプリメント 体力に自信がなかったため,登山前と登山後とにアミノ酸を摂取.天然由来のものを選びました.
- 汗拭きシート:ボディウエットスティックタオル 特大サイズ 山小屋にはシャワーがないため.背中を拭くためには特大サイズが便利です.
- ゴミ袋:ジップロック,スーパーの袋,大きめのゴミ袋.登山のゴミは持ち帰りです.ジップロックが重宝します.大きめのゴミ袋は雨で塗れたものを入れるために準備しておきましたが,今回は出番なし.
- 虫よけ:パラキート(PARA’KITO) 虫除け カラーバンド イエロー (15日用ペレット2個入り) こちらも毎年フジロックに持って行ったもので,天然由来で香りもよく,日持ちもするおすすめの虫よけです.高山のため,虫よけは要らないかなーとも思ったのですが,五号目辺りには虫いるよーということで,付けていきました.
- 日焼け止め:ラ ロッシュ ポゼ 【日やけ止め乳液・アウトドア用・汗、水に強い】 アンテリオス XL フリュイド 日焼け止めは必須.こちらは,肌なじみがよく白浮きしない,石鹸で落とすことができるおすすめの日焼け止めです.
- スキンケア:フェイスパックを持って行きましたが,結局使いませんでした.
- リップクリーム,目薬,1dayコンタクト:唇は意外と日焼けをする場所なので,UVカットのリップをお勧めします.私は目が悪いため,コンタクト&眼鏡を持参.
- 使い捨てカイロ:御来光を待つ間は,寒くて風も強いため,カイロがあると少しの足しになります.
- 絆創膏:もしもの備え.
- 現金:飲み物や食べ物を購入するために.あと,お手洗いは有料なので,百円玉を多めに持って行った方が良いです.
- 保険証:もしもの備え.
- スマホ:頂上でも電波は入ります.写真用にも.体力に自信がなかったため,カメラを持って行くのは諦めました.
- 充電器:スマホを充電.
- 本:旅先には必ず文庫本を持って行きます.今回はこちら.
用意しておけばよかったなーと思ったもの
- スパッツ(ゲイター):足元に装着して,靴の中への砂などの進入を防ぐもの.富士山の登山道は砂が多いため,下りは砂や小石がバンバン靴に入ってきてしまいました.
- 消毒液とガーゼなど:下りの際,同行者の1人が転倒し,側面から地面にたたきつけられました.たまたま通りかかった方が手際よく,水で傷口の砂を洗い流し,応急処置をしてくださったようです.今回の恩返しのためにも,次回登山時には持って行こうと思いました.
- 冷湿布:言うまでもなく,富士山は日本一高い山ですから,テレワーク続きで身体が訛り切っていた私の足には相当な負荷がかかっていたはずです.同行者の1人が,大量の冷湿布を持ってきてくださっていて,下山後にはとにかく足全体に貼って冷やしておいた方が良いということでした.
これは要らなかったなーと思うもの
- 水:体力に自信のない方は,荷物はとにかく軽い方が良いです.途中途中の山小屋で飲み物は売られているため(500円程度/500mlというなかなかのブルジョワ価格ですが)最低限のお水にしておけばよかったなーと思います.登り1本,お泊り時に1本(これは朝食のパンとともにお水1本も手渡されます),下り1本.足りなければ途中で買う.
登ってわかる富士山の魅力
持参した本のタイトルそのままになりますが,日本の頂に登ったという経験は,小さな小さな自信を与えてくれるものです.
雲の上の凛とした空気の中,望む朝焼けの美しいこと.
目の先には,澄み切った青と豊かな雲.足元には,荒々しい土だけかと思いきや,可憐だけれどもたくましく咲くオンタデも見られます.
高山病に気を使い,くれぐれも安全第一で,仲間とともに一歩一歩ゆっくりと歩を進め,下山後のビールを楽しみに,富士山に登ってみませんか.

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