ジョン・レノンも愛した【軽井沢 万平ホテル】クラシックホテル宿泊記

避暑地・軽井沢の歴史と共に百余年の時を刻む万平ホテル.

ジョン・レノンが家族と夏を過ごしたことでも知られる,歴史と自然とが調和した素朴なクラシックホテルです.

※掲載内容は,宿泊時点の情報に基づきます.変更される場合がありますので,ご利用の際は事前にご確認ください.

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万平ホテル MAMPEI HOTEL の概要

アルプス館の玄関には,明治から掲げられる「MAMPEI HOTEL」の看板が残っています.

基本情報

1894年(明治27年)に「亀屋ホテル」の名で開業.
場所は,現在の軽井沢郵便局の辺りでした.

2年後に,外国人が発音しやすい「萬平ホテル」へ改名します.

「亀屋」は1764年(明和元年)頃に開かれた旅籠の名前,「萬平」は亀屋を旅籠から西洋式に改修した9代目佐藤万平に由来しています.

「亀屋」の名を遺すステンドグラス

明治維新に暗躍したことでも知られる英国公使館書記官アーネスト・メイスン・サトウ等が編集した,日本を旅行する外国人に向けたガイドブック「中部・北部日本旅行案内」の中では,MAMPEI HOTELが信頼できる宿泊施設として紹介されているようです.

1902年(明治35年),現在の桜の沢に移転新築.

1936年(昭和11年)に改築し,現在のアルプス館が完成.「万平ホテル」と改称されました.

このとき新築されたアルプス館の設計は,久米権九郎.
ドイツとイギリスで建築を学び,日光金谷ホテル別館を手掛けた建築家です.

関東大震災で兄・民十郎を亡くした経験から,「丈夫な建物を造る」を第一義に置くようになったといい,軽井沢万平ホテルと日光金谷ホテル別館ともに「久米式耐震木構造」を取り入れています.

「我々建築家は、貴重な人命を預かる容器を造る事を念頭に置いて、まず立派なデザインをする前に、丈夫な建物を造ると言う観念を忘れてはなりません」

久米権九郎追憶誌 https://xtech.nikkei.com/kn/article/knp/news/20121221/596789/

外観は,佐久地方の養蚕農家をイメージしたもの.
これは,建築はその土地にマッチしたものでなければならないという久米の信念に基づいています.

スイスの山岳リゾートホテルのようでもあり,似た特性の地域には,似た建築物が生まれるということがよく分かります.

2018年(平成30年), アルプス館が国の登録有形文化財に登録.

創業130周年に向けた万平ホテルの大規模改修・改築工事のため,2023年1月4日よりホテル営業を約一年半休止することが決まっています.

アクセス

〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
TEL 0267-42-1234

  • JR軽井沢駅よりタクシー約5分(2km)
  • 無料駐車場あり

チェックイン

JR軽井沢駅から旧軽井沢方面に向かいます.

途中,軽井沢ニューアートミュージアムや別荘群など見所もあり,荷物が少なく時間がある方は歩いて向かわれても楽しむことができます.

10周年を迎えた軽井沢ニューアートミュージアム
万平ホテルへと続く万平通り

万平ホテルの大きな看板のある駐車場の奥にアルプス館が見えます.入って右手がフロントです.

チェックインを終え,2階の客室へ向かいます.

アルプス館2階の廊下

今回のお部屋は,「アルプス館クラシックツイン36平米」です.

アルプス館クラシックツイン36平米の内装とアメニティ

アルプス館クラシックツイン36平米

今回利用したアルプス館クラシックツイン36平米の内装は,ベッドルームとリビングスペースとを仕切る格子戸が特徴的な和洋折衷.スズランなのか,サクラなのか,お花モチーフの緑色の絨毯と赤い椅子とのコントラストが可愛らしい印象です.

ベッドルームとリビングスペースとを仕切る額縁のような格子戸
お花モチーフの緑色の絨毯と赤い椅子とのコントラストがノスタルジックで可愛らしい

天井は,格天井ではなく,竹が意匠に使われています.

チェストは軽井沢彫.

軽井沢彫のチェスト

明治期に外国人の避暑地として別荘が増えた軽井沢に,欧米人の好んだ木彫りの装飾が施された家具を作るため,日光の木彫り職人たちが呼ばれて製作した家具が軽井沢彫の始まりです.長野県伝統工芸品の指定を受けています.

こう見えてもオートロックのルームキーにも桜の軽井沢彫が施されています

部屋の寝具(マットレス・まくら)は,イタリアmagniflexマニフレックス社が万平ホテルのために特別に製造したもの.

空調は,個別空調のため,各室で調整することができます.

クラシックホテル好きにはたまらないポストカードとステッカー

Coffee and Tea

ミニバーは,カップ&ソーサー×2個,グラス×2個,茶碗×2個,ワイングラス×2個,アイスペール,ソムリエナイフ,電気ケトル,冷蔵庫.

カップ&ソーサーは,NIKKOです.

電気ケトルは,水が入った状態で用意されています.

冷蔵庫の中身は以下のとおり.ミネラルウォーターも有料です.

  • ミネラルウォーター
  • 信州りんご,信州もも 果汁100%
  • 麒麟一番搾り
  • THE軽井沢ビール
  • プレミアムモルツ
  • バランタイン ファイネスト
  • ジョルジュ デュブッフ ボジョレー
  • ジョルジュ デュブッフ マコン・ヴィラージュ

お茶の銘柄は以下のとおり.

  • 紅茶|ダージリン シャンティ紅茶
  • 緑茶|伊藤園
  • 珈琲|マイルドブレンド ミカドコーヒー

アメニティと猫足のバスタブ

バスアメニティは,「THANN(タン)」.

2002年にタイ・バンコクに誕生したナチュラルスキンケアブランドです.

シャンプー,コンディショナー,ボディウォッシュがボトルで用意されています.

サンプルのスキンケアは,「MARGARETJOSEFIN(マーガレット・ジョセフィン)」.

メイク落とし,洗顔料,化粧水,クリームが1回分用意されています.

そして,アルプス館の見どころのひとつが,レトロな猫足のバスタブです.

乙女の憧れ,猫足のバスタブ

ゆっくりと浸かってくださいとばかりに,ウィズフローラ バスソルト(ラベンダーの香り,キミカゲソウの香り)も用意されています.

史料室

ジョン・レノンが好んで弾いたYAMAHAのアップライト

万平ホテルの歴史を語る資料や調度品が展示されています.

ジョン・レノンが弾いたピアノ,自身の職業を文士と記した三島由紀夫の直筆宿帳,当時の田中角栄首相・キッシンジャー米国大統領補佐官の会談に使用された椅子など,ホテルの歴史を実物をもって感じることができます.

ルームサービス

夕食は,ルームサービスを取りました.普段は食べない朝食に備えて量は控えめに.

奇をてらわない正統派のオードブルです.

  • オードブル盛合せ 3,600円
  • ミニバーからジョルジュ デュブッフ マコン・ヴィラージュ 1,000円 

バー

バーのプレートにも軽井沢彫が施されています

メインダイニングルームの隣にあるオールドファッションドバー.

大人の社交場といった雰囲気です.

  • シャテーヌ・アレキサンダー 2,200円
  • MARS MALTAGE “COSMO” 越百(こすも) ショット 1,500円
シャテーヌ・アレキサンダー

ショートカクテルは,Mars Brandy ‘HOKEN’ 宝剣(ほうけん)ベースのものを選びました.生クリームと栗とのクリーミーでリッチな口当たりが飲みやすくて危険なカクテル.

ウィスキーも万平ホテルオリジナルラベルから.とても飲みやすい種類のウィスキーだった記憶はありますが,いい感じにほろ酔いで,味の記憶がありません.ご馳走様でした.

メインダイニングルーム

江戸期と昭和初期の軽井沢の様子が描かれたステンドグラスがメインダイニングを彩る.

朝食は,和食と洋食から選びます.和食は割烹熊魚菴にて,洋食はメインダイニングルームにて頂きます.

今回は,メインダイニングルームの雰囲気と,大正時代から使われているというメニューカードを目当てに,洋食を頂きました.

大正浪漫のメニューカード

古き良き社交場時代の面影を残すメインダイニングルームは,格天井に惑星とキューブ状の照明.
テラス席は,網代天井にスズランの照明です.

スズランの花言葉は「幸福の訪れ」.
軽井沢には多くのスズランが自生していたことから,万平ホテルのエンブレムとなっています.

ノリタケ製のスズランの食器が可愛らしい

クラシックなアメリカンブレックファストですが,陽光の降り注ぐテラスの雰囲気が食事を美味しくしてくれます.

ホテルショップ

フルーツケーキ ミニ 210g

本館1階にあるショップでは,ホテルで長年愛されてきたアップルパイのお土産やロイヤルミルクティーにぴったりのオリジナル紅茶など,多くのホテルオリジナル商品が取り扱われています.

万平ホテルを代表するリピーター率№1という人気商品が,フルーツケーキ.

「フルーツケーキ ミニ」は,ちょっとしたお土産に手ごろなサイズとレトロなパッケージが素敵です.

カフェテラス

ジョン・レノンが座った席(107)

ジョン・レノン一家が利用していたことで広く知られるカフェテラス.

万平ホテルと聞くと,真っ先にこのカフェテラスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか.

事前予約ができないため,11時のチェックアウト後に伺うと5組のウェイティング.
30分程待って入店しました.

  • 伝統のアップルパイ 950円
  • ロイヤルミルクティー 900円(セット価格)

ジョン・レノンが愛したアップルパイは,信州産りんご“紅玉”の穏やかな酸味とサクサクのパイが美味しい,お腹いっぱいでもペロッと食べられちゃうケーキです.

そして,こちらのカフェで是非とも味わいたいのが,ロイヤルミルクティー.

ジョン・レノン直伝といわれるこちらのロイヤルミルクティーは,トップに乗せられたクリームのふわふわの口当たりと,煮出した濃い茶葉の味わいが本格的でとても美味しいミルクティーです.

クラシックホテルパスポート

第二次世界大戦以前に建てられ,その建物を維持(改修,復原を含む),文化財や産業遺産などの認定を受けているなどの条件を満たした9つのホテルで結成された「日本クラシックホテルの会」.

クラシックホテルパスポートは,その加盟ホテルで求めることができます.

4つのホテルに宿泊をしてスタンプを集めると,9つのホテルで利用可能なペアお食事券が一組プレゼントされ,9つのすべてのホテルに宿泊をしてスタンプを集めると,ペア宿泊券が一組プレゼントされます.有効期限は,最初に宿泊したホテルの利用日より3年間.

万平ホテルも加入しています.

三島由紀夫の小説『美徳のよろめき』の舞台となったホテル

ロビイの暖炉

主人公である人妻の節子と土屋との初めての旅行先,美しい5月の「季節外れの閑散なホテル」は,万平ホテルだと言われています.雷の鳴る雨の午後,ロビイの暖炉の前で暖まっていた二人の前に現れた一団の紳士.この出来事が二人を強く結びつけることになります.

美徳のよろめき (新潮文庫)

チェックアウト

ノスタルジックなロビー

避暑地・軽井沢の歴史と共にあゆみ,ジョン・レノンが家族と夏を過ごしたことでも知られる,歴史と自然とが調和した素朴なクラシックホテル.

その歴史を未来へと繋ぐべく,2023年1月4日よりホテル営業を約一年半休止することが決まっています.

澄んだ空気と止まった時間の中に鳥のさえずりだけが聴こえる,素朴でノスタルジックなホテルでした.

こんなあなたにおすすめ

ジョン・レノンが滞在したアルプス館128号室
  • クラシックホテルに泊まってみたい
  • ジョン・レノンが好き
  • 旧軽井沢でゆったりとした時間を過ごしたい

宿泊プランと料金

今回利用したプランは以下のとおり.

  • プラン|こだわりの朝食付・レギュラープラン【1泊朝食】
  • 客室|アルプス館クラシックツイン36平米(禁煙)(ツイン) × 1部屋
  • 宿泊料金合計|44,590円 (サービス料込・消費税込)大人1人×1泊 朝食付

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避暑地・軽井沢の歴史と共にあゆみ,ジョン・レノンが家族と夏を過ごしたことでも知られる,歴史と自然とが調和した素朴なクラシックホテル.

旧軽井沢でゆったりとした時間を過ごしてみませんか.

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